あたし研究 自閉症スペクトラム〜淡々の場合

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小道モコさんの「あたし研究 自閉症スペクトラム〜小道モコの場合 」

あたし研究

あたし研究

を読みながら、わたしの場合の 「あたし研究」をしてみたいと思います。
小道さんと同じく、私も30歳を過ぎてからASD自閉症スペクトラム障害)の診断を受け、やっと自分が何者かが解ってきました。
同じように辛い思い、もどかしい思いをされている方がいらっしゃると思います。自分というシェル(殻)とコア(核)とが、上手に付き合えるようにしてゆきたいものです。

小道さんは、15のエピソードを設けられました。私もその15のエピソードからお答えしたいと思います。



淡々研究



1 あくまでも私のイメージ


「場の空気」について
実は、あまり場の空気について考えたことがないんです。
でも、それは昔から訓練されていたからかもしれません。
小さい頃から聖書を学んでいて、「傾聴する」「ノートをとる」「注解する」「歌う」という場が与えられ、時間で区切られていることで訓練されていたからです。
話していいとき、ダメなとき、話すべき時、注解する長さ、すべてにおいて訓練されてきたので、気をビッと張っていれば、すべてのことに適用できました。


でも、例えば友人との集まりなどという「気の置けない」という感覚の方がよく解りませんでした。「気」をなんか固い岩のようなイメージで捉えています。ごろりと取りのけたり粉砕するもの。


ここでVisual Thinkerという言葉が使われていますが、私の「岩」がそうなら、そうなのかもしれません。


あとは、音、におい、光を「丸いものやとげとげしたもの、波形」で捉えています。
確かに波形に直せますので、間違いとも言えませんが、波長の短いものに弱い。という特色があります。



2 慣用句に弱いワケ


言語性が低くない私の場合は慣用句に弱くはありませんが、耳慣れない言葉とか、電話とか、早口とか、講演とか、歌の歌詞の聞き取りが苦手です。
歌の歌詞が聞き取れないのは、音楽スキとしてちょっと悲しいところです。だから、歌を口ずさむ、ということがない。よほど覚えた歌でなければね。
でも、講演会の場合だと、大体構成が決まっているので、予想が付きますから「今は起だな」「今は承」「今、転」「今は結かぁ。」などと、考えながら聴くので、処理速度が遅いのかもしれません。


3 ちょっと 待ってて


あー、これこれ。待ち続けます。

この円錐形の中にとどまる感じ。というのはすごくよく分かります。
ずっと待ち続けちゃうんですよね。 でも、代替手段を講じる、「何分くらい?」と聞くというスキルを身につけてからだいぶ改善されました。

私は言語性のほうが動作性より高いせいか、理論で考えるタイプなので、ファンタジーに弱く、「ちょっと待っ天使」とかは出てきませんけどね。


4 方向感覚


これも訓練が必要ですね。
今でもダメなのは、マンモス団地。や碁盤の目地形。
近所にマンモス団地があるんですけど、わたし的にいう「ランドマーク」がなかなか見あたらなくて困っています。
たとえば、待ち合わせ場所に乗り物を停めます。 で、しばらく歩きます。 現地解散になります。 すると、自分の乗り物を停めた場所が解らなくなります。


でも、複雑な地形の住宅地は得意です。
わたしにとっては、とても個性的な地形に見えるからです。
駐車場も方向も大抵大丈夫。
目線に気を配っています。


以前運送業をしていましたが、地図が得意でランドマークの記憶力が悪くはないので、向いている仕事でした。


5 見えないモノはないもの!?


はいはい。ありますよー。これ。
例えば、お風呂に入って身体を拭くとき。
いつも背中、びっしょびしょです。(笑)
なんか背中が上手に拭けないんです。
リュック、振り返って壁、うしろによわい。コレもあります。


タツに入って足がわからない。とかは無いですけれども、今、一生懸命知覚統合の訓練をしています。


あとはボンネットとトランクのある車。
どんなに大きなトラックに乗れても、ボンネットやトランクのある車には乗れません。


6 ならべる


あひゃひゃ!!! チョーーーーー並べます。
特にリモコン。 背の順です。絶対背の順です。
これ


本も。背の順。 ジャンルは問いません。
図書館でも並べちゃいます。

あとは、家事をしていても、洗濯物は洗濯槽から取り出すときに必ず細かい、ピンチ式物干しに干すものから取り出し、靴下は対で取り出し、ジャンル別に分けて、最後にハンガーに干すTシャツなどの洗濯物を伸ばしてからカゴに入れます。
ハンガーもこだわりがあって、べつにいいものではないんですが、同じメーカーの同じ形状じゃないとダメなんです。
これ。


そのメーカーが無くなってしまった今、代替品がないかどうかを真剣に探しています。

お皿洗いもそう。 小さいモノからやっつけて絶対背の順になるようにカゴに並べる。 頑なに守ります。


食事を作るときの食材もそう。
切る順に並べるので、場所がいくらあっても足りない。「控えの選手」の待機する場所に困る感覚がすごくよく解ります。


7 あこがれの優先席


わたしは昔から「譲りたい人」だから、あんまりあこがれたことはない。
これは融通が利かない。ということを言っているのかな?
四角四面にものごとを扱う。ということはありますね。
正直者、嘘つけない、融通が利かない。というようにも言えます。

でも、「携帯は心臓ペースメーカーに影響があるのでおやめください。」という文句には納得できない。
「携帯マナー」を「守らない」人を白眼視する人みなが心臓ペースメーカーに影響があるから、ダメ!という目で見ているわけではないから。
よっぽど融通の利かない人だなぁ。と感じます。


ある伝説機器の発明家夫妻が私を訪ねて来たときの移動中、横浜のバスのアナウンス「Please turn off your celularphone by the bord.なんちゃらかんちゃらpasemakers.」を聞いて、「fxxxxn sxxt」と、一蹴しました。


最近の心臓ペースメーカーはそんな微弱電波に影響などされないし、されたとしたらとっくに死んでいる。という話。それだけ見えない電波はとびまくっているから。といいました。とても同意できます。


だから、女性専用車みたいに、携帯通話禁止車とか作ればいいのに。って真剣に思っています。 携帯使いたい人の方がマジョリティじゃない?


8 体の把握


よく転び、よくぶつかります。
私の父も、母とのデート中よく転んでいたそうです。
でも、父はスピードスケートとホッケーの選手。


私も小さい頃からバレエを習っていたので、柔軟な方だし、ブリッジから逆立ちして立ち上がる。とか今でもできます。 モコさんと同じように、理屈を教えてもらったからです。


でも、よくぶつかり、たんこぶを作り、コケるし、厚底の靴だとくじくし、モノを取るときに腕の長さが足りないことがよくあります。


日常生活は理屈が追いつかない。という説明も解りやすいです。


9 服との格闘


おんなじような人がいたんだー!と、ある意味感動?しました。


タグ、縫い目、ノリ止めした角、スパンコールのネックレスなどでひどいことになってしまいます。だから近くにリッパーがないと落ち着きません。


帽子も頭痛の元だし、めがねのつるも痛くて仕方がない。


ハイファッションのタグでもダメなので、売る、などということを考えずにさっさと取ります。


タグ・縫い合わせ、洋服の着方(たるみや重なり)、ハイネックで偏頭痛を起こすのも一緒です。
布団のカバーの生地、寝間着と自分の体毛の擦れで腫れ上がるので、冬場は特に体毛の処理に追われます。 ちょっとでも生えると自分の毛で自分を傷つけてしまうのです。

フリースも汗を吸わないので綿の肌着を着ないと着られません。これは体温調節の問題ですけれども、フリースの中が汗が露になってしたたった。という事がよくあります。


10 マニュアル操作

頭痛! 肩こり! 小学生からありました!!
でも、どこを検査しても異常ない。むしろとても健康な人の数値が出る。
でも、万年具合悪い。


あと、自分の疲れや空腹、喉の渇き、排泄の欲求をモニターできないことがあります。
寒さは着込めば調整できますが、暑さはどうにもなりません。
家にクーラーが入っていない頃、鬱がひどくて寝込んでいて、脱水症状で寝ながら倒れる?!とか。


あと、モコさんが、「まばたきを忘れる」というのが私にも当てはまります。
先日眼科でテストしたら、普通の人は10mm出るはずの涙が2mmしか出ない、ひどいドライアイだと。 確実にまばたき忘れています。


あとは、呼吸を忘れます。
気づくと顔が真っ赤だったり。


11 学校はジャングルのよう


「音が心に刺さって痛い」この感覚がとてもよく分かります。
学校じゃなくても、日常生活が危険と隣り合わせです。かんしゃくを起こしそうになります。


陶器のぶつかる音、缶ペンの音、女の子のキャー。


これがだめで、ほとんど保健室の子でした。


唐突に質問される。というのも困る。


12 いじめって何?


そう。無視。 ありましたね〜。
なんか、給食わたし一人。とか。


モノを盗まれたり。ということもよくあった。


羞恥心が遅れている。ということもあって、パンツ○見せで男の子と混じって鉄棒でグライダーやって女のこにひんしゅくをかったり。
でも、私自身は全く気にしていないんです。


でも、いじめは中学1年最初まで。
中学では成績がトップだったので、一目を置かれるようになりました。


高校はNOいじめ。


というか、いいこじゃなくなりました。


決まった音楽友達とつるんでた。出席はぎりぎりで卒業。


しかし毎日の英単語テストは満点だったり、学級委員だったり、文化祭の実行委員長だったり、応援団長だったり、いじめの仲裁をしたり、学校報の記事を書いたり、先生から悩み相談で電話がかかってきたりする髪がオレンジ色の「異色」な子でした。

部活はハンドボールをしていましたが、いまいち協調性に欠けるので、ポストというポジションにいました。でも、ボールはあまり得意ではなく、足の速さとパワー勝負でした。


あとは、ポストが合っていた理由は、人の流れを避ける傾向があるので、常に人の盲点にいる事ができたからです。 ぽっかり空いた穴に私がいるので、パス受けてシュートするだけ。


まったく社会性がないわけではないんです。ちょっとはずれているから第三者みたいな立場で場にいるわけです。


13 わたしを救ったにゃんころりん


忘れ物が多い・・・・。 あゆみにも再三再四書かれています。
今でも荷物が多いのはこのせいでしょうね。


14 自分という器


「わたしは着ぐるみの中におさまっているような感じがする時がある」
これには共感です。

エヴァンゲリオンのシンクロ率。これが私の感覚です。
あんまりシンクロ率が高くないのです。


15 特訓の成果


私のほとんどは訓練によって出来上がっています。あとは過適応のための二次障害のうつや心身症を抱えているだけ。


「メインの仕事ではなくサブの仕事で挫折」
これもありがちですね。
特訓しても成果が上がらなかったのは美容。
特にカット。
立体把握能力が低いので、カットがまったく解らないのです。
私が切ると全部テクノカットになっちゃう。

美容の免許は取れましたが、仕事はできませんでした。


まぁ、こんなかんじです。
なんかまた付け加えることがあったら書きますね。